憧れのクラッシックホテルに泊まってみました!
普段からレトロ建築を見るのが好きなのですが、見るだけでなく滞在もしてみたい! と以前より憧れていた山の上ホテルに宿泊することにしてみました。
東京神田駿河台。
高台であるこの地はもともと神田山と呼ばれ、本郷、湯島台までわたる丘陵だったそうです。徳川家康が新たな町づくりのため、神田山を切り崩し、日比谷周辺を埋め立てたものの、洪水が頻発し、それを防ぐための水路と江戸城の外堀も兼ねて神田川が掘られたことで独立した台地になりました。
家康亡き後、任を解かれ駿河から戻った旗本たちが多く屋敷を構えたことや、駿河国の富士山が見えたことなどから、駿河台と呼ばれるようになったそうです。
現在はいくつもの大学が立地する文教地区で、楽器店やカレー店、丘を下ると神田古本屋街があります。
最寄り駅の御茶ノ水駅から歩くこと6分ほど。明治大学を見ながら少し坂を上った先に山の上ホテルはあります。
ギザギザとした幾何学的な外観は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計によるアール・デコ調の建築です。
川端康成、三島由紀夫、池波正太郎をはじめとする多くの文豪に愛されたと知られる山の上ホテル。
多くの作家が「カンヅメ」となって執筆、かつては締切前になるとロビーには原稿を待つ出版社の方々で溢れかえっていたそうです。
元々は九州の石炭商・佐藤慶太郎が、設立した施設「佐藤振興生活館」として利用されていたところ、太平洋戦争中に帝国海軍に徴用、戦後はGHQに接収され宿舎として使用されました。GHQの接収解除を機に、山の上ホテル創業者が建物を譲り受け、1954年ホテルとしての営業を開始しました。2019年に特徴的なアール・デコ調のオリジナル意匠の復元などのリニューアルを経て今にいたっています。
ホテルの玄関から、右手に進むとフロントロビーです。
目に飛び込んできたのは期待通りのクラッシックな空間。まるでタイムスリップしたようです。
シャンデリア、雰囲気のあるソファー。そして目にするのを楽しみにしていたのがライティングデスク。時代を感じる机には辞書や全集が置かれていました。
チェックインの順番を待つ間の時間も楽しませてくれました。
チェックインを終えて、エレベーターに乗って客室へ向かいます。
客室数は35室。庭があったり、畳があったり、すべて異なるレイアウトの部屋だそうです。
思いの外コンパクトな部屋数なのでびっくりしました。すべての部屋で作家さんが執筆をされていることもあったのでしょうか。そんな姿を想像しておもしろがってみたのでした。
部屋は重厚な設えで歴史を感じつつ、清潔感がありました。
東京のど真ん中にいることを忘れてしまうような、静かで落ち着いた空間で、日常から解放されてとてもゆったりと過ごすことができます。
集中するにも丁度良く、文豪たちが執筆場所に選んだのもわかる気がします。Wi-fiも完備されており、執筆に限らずリモートワークも快適にできると思います。
部屋以外にもホテル内には螺旋階段、天井のステンドグラス、可愛いタイルと素敵な見どころがたくさんあります。
山の上ホテルはレストランも充実してて、食事、喫茶、お酒も楽しむバーもあります。
ホテルと同じ名前を冠したコーヒーパーラーヒルトップに行ってみました。
店内にはずらりと水出しコーヒー機が並び、ゆっくりと抽出される様子がゆったりとした時間をかもしだし心地よく、場所は丘の上なので日差しが入るので、ホテルの地下にいるのを忘れるという不思議な場所でもありました。
水出しコーヒーはとても美味しかったです。
ティータイムのケーキセットはたくさんのケーキの中から選ぶのに迷いました。ケーキはロビーのホテルショップで購入することもできるので、テイクアウトもしました。
ホテルショップにはケーキのほかにもオリジナルの焼き菓子、チョコレートなどもあります。
個人的にはデザインオフィスnendoによる文庫や色鉛筆ケース、お道具箱などの書斎をモチーフにしたデザインパッケージに心惹かれました。
あっという間の滞在でしたが、また訪れたいと思いました。
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レトロホテル、おすすめです!
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